『聖の青春』(大崎善生著)読みました。
聖の青春は2016年に松山ケンイチ主演で映画化されました。
29歳で亡くなってしまった棋士、村山聖(さとし)のノンフィクション物語です。
本自体は2000年に出版されているけど、今日読み終わりました。
村山聖は、5歳の時に発病した病気にずっと苦しめられながらも、
将棋に出会ってめきめき腕を上げていく。
病気と戦いながら将棋の世界を登りながら、沢山の人達に出会って、支えられて生きたんですね。
ちょうど映画で話題になっていたのと、ずっと読んでいる大人気漫画の『3月のライオン』。
この中に出てくるとってもチャーミングな桐山のライバルである若手棋士、
二海堂晴信のモデルがこの『聖の青春』の村山聖ということなので、
母と祖母に面白そうだからとこの本を送ったんです。
そしたら、すごいよかったから!!!あんたも読み!!と渡されたんだけどしばらくほったらかしにしていました。
で、昨日なんとなく読みはじめて、あっという間に読み終わっちゃいました。
聖さんがとても魅力的に書かれていて。
私からしたら将棋の世界なんて脳の特殊なところのリミットが外れた天才たちばかりっていうイメージ。
村山聖もそのひとり。
大変な病気を抱えて、シビアな勝負の世界で燃えるように命を輝かした。
ほんとうに生きていたかったんだろうなと思う。
だからこんな事言うのほんとうに問題あるかもしれないけれど、
私は、この本を読んでいて村山聖がうらやましいな、と思った。
早くに亡くなってしまったけれども、
自分の好きなことで熱中して溢れる才能があって、結果を出してお金をもらって生きていく。
たくさんの人達に慕われて、たくさんの人達に囲まれて。愛されて。
もちろんこの小説を読めばどんだけ苦しかったか少しは伝わってくる。
聖のメモにこんな風に書かれている。
何のために生きる。
…人間は悲しみ苦しむために生まれたのか。
人間は必ず死ぬ。必ず。
何もかも一夜の夢。
-『聖の青春』
聖が書くと切なさを感じる。
私もよく同じようなことを思う。
ただそれはもっと前向きな気持で自分を奮い立たせるために思う。
人間は必ず死ぬ。何もかも一瞬だ。
だから、臆せず何でもしてみたらいい!
こんな気持ちだ。
将棋の世界は私の頭では難しくて理解できないけれど、
村山聖のように命を薪にして激しく燃やして勝負に向かう人たちがたくさんいるんだろう。
応援したいなと思った。